光回線をやめるときに効くのは解約金ではなく工事費の残り。5社を並べると差が12倍つく
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光回線を選ぶとき、「途中でやめたときいくらかかるか」を気にする人は多いはずです。そして多くの記事が**解約金(違約金)**の額を比べています。
ところが5社の一次資料を並べると、解約金の差は最大でも2,090円しかありません。差がつくのは工事費のほうで、こちらは22,000円から48,950円まで26,950円ひらきます。約12.9倍です。
この記事は、おてがる光・@nifty光・ドコモ光・ソフトバンク光・auひかりについて、各社が公開している料金ページ・重要事項説明書・キャンペーン規約に書かれている数値だけを並べたものです(2026年8月4日〜5日確認、金額は特記のない限り税込)。
- 解約金は3,630円〜5,720円。おてがる光は重要事項説明書に定めが見当たらない
- 工事費・初期費用の総額は22,000円〜48,950円。差は26,950円で、解約金の差の約12.9倍
- 分割の長さも違う。おてがる光11回・@nifty光20回・ソフトバンク光24回・auひかり35回
- 分割が長いほど、途中でやめたときに残る額が大きい期間が長く続く
- auひかりだけ撤去工事費31,680円が別にある(希望した場合)
- 転用・事業者変更なら工事費0円の事業者がある(ドコモ光・ソフトバンク光)
- 「工事費実質無料」は各社ある。条件と適用期間が全部違う
解約金はほぼ横並び
| 戸建て/ホーム | マンション | |
|---|---|---|
| おてがる光 | 定めが見当たらない | 定めが見当たらない |
| @nifty光 | 4,840円 | 3,630円 |
| auひかり | 4,730円 | — |
| ドコモ光(2年定期契約) | 5,500円 | 4,180円 |
| ソフトバンク光(2年自動更新) | 5,720円 | 4,180円 |
@nifty光の解除手数料は不課税と明記されています。auひかりの4,730円は2022年7月1日以降に新規申し込みした場合の額で、それ以前の申し込みは16,500円です。
ソフトバンク光の解除料は固定額ではなく、公式の表現では「解約時の契約プラン・回線タイプに応じた割引前の月額利用料金相当額」です。2年自動更新プランの月額が戸建て5,720円・マンション4,180円・10ギガ6,380円なので、その額になります。
最小の3,630円と最大の5,720円の差は2,090円です。どの事業者でも、解約金だけなら5,720円以下に収まります。
差がつくのは工事費
| 工事費・初期費用(新規・派遣工事あり) | 分割回数 | |
|---|---|---|
| おてがる光 | 22,000円(クロスは26,400円) | 11回(クロスは24回) |
| @nifty光 | 22,000円 | 20回 |
| ドコモ光 | 28,600円(代表例) | 確認できず |
| ソフトバンク光 | 47,520円 | 24回 |
| auひかり | 48,950円 | 35回 |
解約金の差2,090円に対して、工事費の差は26,950円。約12.9倍です。どちらを見て選ぶべきかは明らかだと思います。
ドコモ光の28,600円について、公式は「一般的な代表例です。お客さまの設備状況によっては変動することがあります」と注記しています。ソフトバンク光の47,520円は2026年6月1日申し込み分からの金額で、それ以前は31,680円でした。
分割の長さが「残る期間」を決める
工事費を分割にすると、途中でやめたときに残額が請求されます。分割が長いほど、残額が大きい状態が長く続きます。
おてがる光の1ギガ(2,000円×11回)を例に、経過月ごとの残債を出すとこうなります。
| 解約した時点 | 残債(1ギガ) | 残債(クロス・1,100円×24回) |
|---|---|---|
| 1ヶ月 | 20,000円 | 25,300円 |
| 6ヶ月 | 10,000円 | 19,800円 |
| 11ヶ月 | 0円 | 14,300円 |
| 12ヶ月 | 0円 | 13,200円 |
| 18ヶ月 | 0円 | 6,600円 |
| 24ヶ月 | 0円 | 0円 |
同じ事業者でも、11回払いと24回払いでこれだけ変わります。1年で抜けられるのが11回、2年かかるのが24回です。auひかりの35回は3年近くかかります。
「工事費実質無料」の条件は全部違う
各社に工事費の割引はありますが、始まる月・続く月数・対象外の条件がそれぞれ違います。
| 割引の形 | 開始 | 主な対象外 | |
|---|---|---|---|
| おてがる光 | 分割工事費用と同等額を最大11ヶ月 | 記載なし | 転用・事業者変更 |
| ソフトバンク光 | 1,980円×24ヵ月 | 7ヵ月目 | 自動更新なしプラン/工事費が発生しない場合 |
| auひかり | 初期費用相当額割引(35カ月)。過半は電話契約が条件 | 記載なし | au one net以外のプロバイダ/電話を契約しない場合は電話分(26,950円)が対象外 |
- おてがる光は「新規申し込みのみ(転用・事業者変更は対象外)」「公式ホームページからの申し込み」「開通後10日以内に支払方法登録とアンケート回答の完了」が条件です
- ソフトバンク光は他社回線からの乗り換えの場合、「課金開始月を1ヵ月目として6ヵ月目の末日まで」に解約証明書を出す必要があります
- auひかりの割引はネット分(22,000円)と電話分(26,950円)に分かれていて、電話を申し込まないと過半が割り引かれません。ソフトバンク光の工事費割引はオプションと無関係なので、この点は両者で条件が違います
ドコモ光と@nifty光については、今回参照した料金ページに工事費割引の記載を見つけられませんでした。この記事は工事費を全額負担する前提で並べています。
転用・事業者変更なら0円になる事業者がある
今フレッツ光か光コラボ(ドコモ光・ソフトバンク光・@nifty光・おてがる光などはすべて光コラボです)を使っているなら、**同じ光コラボ間の乗り換えは「事業者変更」**になり、工事が不要です。
- ドコモ光:転用(フレッツ光から)で速度が変わらない場合、工事料0円
- ソフトバンク光:フレッツ光/光コラボからの転用・事業者変更で0円
一方でauひかりは独自回線なので、光コラボからの乗り換えでも新規工事になります。ここが48,950円の出どころです。
なおソフトバンク光は10ギガを選ぶと、転用でも新規契約扱いで立ち会い工事が必要と明記されています。
auひかりだけ撤去工事費がある
解約後も引込設備は残る。撤去を頼むと31,680円
auひかりホームの公式説明です。
2018年3月1日以降にauひかりホーム、または料金プラン変更をお申し込みのお客さまは、解約後も引込設備が残ります。撤去をご希望の場合は、撤去工事費31,680円がかかります。
「工事の際はお客さまのお立合いが必要となります」とも書かれています。2018年2月28日以前の申し込みは11,000円です。
**撤去は「ご希望の場合」**なので、頼まなければ発生しません。ただし賃貸で原状回復を求められるかどうかは物件次第です。
初期費用48,950円と撤去工事費31,680円を足すと80,630円、さらに契約解除料4,730円を足すと85,360円になります。ただし公式は「分割払いで途中解約された場合は、最終請求月に初期費用の残額を契約期間に応じて低減し一括請求いたします」と書いており、48,950円が満額請求されると確定したわけではありません。「低減」の計算方法は公開されていません。
おてがる光にも「退会に伴い、回線撤去工事費がかかる場合があります」という記載がありますが、金額は書かれていません。加えて「撤去工事を実施する場合、退会完了となるのは、撤去工事が完了した月の末日となります。退会完了月まで月額料金を含む全ての料金が継続して発生します」とあるので、撤去が翌月にずれると月額が1ヶ月分増えます。
「解約金なし」は無条件で得ではない
おてがる光の重要事項説明書には、契約解除料も最低利用期間も見当たりません。全文を検索しても該当がありませんでした。
ただし同じ書面に、次の一文があります。
分割払いの期間中に「おてがる光を」解約される場合、未払いの工事費の残額を一括でお支払いいただきます。
解約金がないことと、工事費が残らないことは別です。11回払いなら11ヶ月、クロスの24回払いなら24ヶ月のあいだ、やめると残額が来ます。
見るべき順番
- 今の回線が何か。フレッツ光か光コラボなら、乗り換え先によっては工事費0円
- 工事費の総額と分割回数。ここが数万円動く
- 割引の条件。転用は対象外、証明書の提出期限、プランの制限
- 解約金。ここは各社2,000円程度の差しかない
この記事で確認できていないこと
- ドコモ光の工事料の分割回数と、分割途中で解約した場合の残額の扱い
- @nifty光の工事費の分割途中で解約した場合の残額の扱い
- auひかりの「契約期間に応じて低減」した初期費用残額の具体的な計算方法
- おてがる光の回線撤去工事費の金額
- ドコモ光・@nifty光の工事費割引キャンペーンの有無と条件
- 各社の契約更新期間が具体的に何月になるか。ドコモ光は月数の明記を確認できていません
- 代理店・プロバイダ経由で申し込んだ場合の各社の工事費とキャンペーンの扱い。 申し込み窓口によって条件が変わることがあります
各社の詳細
それぞれの事業者について、別記事で条件を詳しく見ています。
おてがる光
契約解除料の定めがない代わりに、工事費の残債が一括で来ます。金額はおてがる光の「違約金0円」で途中解約すると、工事費の残りが一括で来るにまとめました。
@nifty光
月額が22ヶ月目に1,100円上がる段階制です。3年の総額から実質月額を出したのが@nifty光の月額は22ヶ月目に1,100円上がるです。
ドコモ光
「定期契約なし」を選ぶと解約金はかかりませんが、月額が戸建てで1,650円高くなります。損益分岐は4ヶ月です(ドコモ光の「定期契約なし」は4ヶ月以上使うと損をする)。
ソフトバンク光
工事費が47,520円になるか5,280円になるかは、宅内環境次第で申し込み前には決まりません(ソフトバンク光の工事費が5,280円になるか47,520円になるかは、申し込む前には決まらない)。
auひかり
初期費用48,950円を消す割引は、ネット分と電話分に分かれています。電話を付けても付けなくても35カ月の総額は同じでした(auひかりの「初期費用実質0円」は電話サービスの月額で払っている)。
まとめ
- 解約金は3,630〜5,720円で、各社の差は2,090円しかない
- 工事費・初期費用は22,000〜48,950円で、差は26,950円(約12.9倍)
- 分割回数は11回から35回まで開きがあり、長いほど残債が続く
- auひかりは撤去工事費31,680円が別にある
- 転用・事業者変更で工事費が0円になる事業者がある
「違約金なし」を基準に選ぶと、工事費のほうで数万円を見落とします。